お風呂リフォーム
目次
年老いてきたときに、介護施設に
入ることなく住み慣れた自分の家に
居続けたいというのは誰もが持つ
思いではないでしょうか。
とは言うものの、体がついていかない
のも事実です。
筋力・体力・バランス感覚の衰えた
高齢者が生活をしていく上で
検討したいのがバリアフリーのバスルーム
です。
バスルームのバリアフリー化で押さえて
おきたいポイントをご紹介します。
一般的には年齢が60代に達すると、
外出して長い時間出歩くことも
少なくなり足の筋力が年々低下
していくと言われています。
その為、脚が上がりにくくなって
何もないところにつまずいたり、
バランスを崩して転んでしまう事が
あります。
そして、そんな高齢者にとって浴室
には”2つの危険”が
潜んでいます。
浴室は、水に濡れていてただでさえ
滑りやすい上に、水垢や石鹸の
ぬめりもあります。
また、浴室自体もとても固い
材質でできています。
滑って転倒したときにタイルや
浴槽で頭を打ったり、バランスを崩して
転んだりする確率が高く注意を
払わなねばなりません。
また、特に寒い冬場は暖かい
リビングルームから寒い浴室へ行き、
さらにお湯につかってあったまる為
ヒートショックになる可能性もあります。
短時間に血圧の上昇と下降が
繰り返されるので、めまいや心筋梗塞、
脳卒中が起きるケースも少なくは
ありません。
一人で入浴されている時に
ヒートショックが起こって倒れたり
しても、リビングルームにいる人に
異変をすぐに察知することは
難しく、危険であると言えます。
脱衣所と浴室の間には洗い場から
水がはねて出ていかないように
段差が作られています。
また日本の湯舟は外国のものと
違い肩までつかれるものが多く、
入りやすいように浴槽の半分あたりまで
床に埋まっていますが、大体の
場合50㎝位の高さを毎回またいで
入浴しています。
日本の浴室は、バリアフリーどころか
バリアだらけなのです。
それでは浴室での転倒事故や
ヒートショックを防ぐ為に押さえるべき
ポイントにはどのようなものが
あるのでしょうか?
脱衣所から洗い場に足を一歩降ろした
途端つるんと滑った、ということのないように
するには段差を無くすことが得策です。
しかし段差がなくなると、水が脱衣所に
入ってきてしまう可能性が高くなるので
そういった場合にも対処できるよう
新たに排水機能を設けた方がよいでしょう。
段差が完全に無くせない場合でも、
1~2㎝の高さまで無くせれば、
かなりの確率で転倒を防げる事になり、
大きな効果があります。
そして、脱衣所との仕切りのドアは
なるべく割れる可能性のある
ガラス製を避けましょう。
また、もしも洗い場で転倒してしまった
場合でも気づいた家族がすぐに中に
入って助けてあげれるように、
アコーディオンスタイルのドアや
スライド式のドアにしておくとより
安心です。
脱衣所から浴室に入る時や、
洗い場で立ち上がったり座ったりする時、
浴槽への出入り、そして湯船付近に
掴むことができる手すりがあると
非常に便利です。
手すりがあるとバランスが安定し、
転倒の可能性も減少します。
浴室の床は滑りやすく高齢者は
特に注意が必要です。
特にタイルの床は硬いので、
転倒しても体を強く打たない
柔らかい材質の床材や、
滑りにくく加工した床材を
選ぶといいでしょう。
最近では浴槽の形も多種多様に
なってきました。
肩までつかってしっかり温まりたい
方でも必ずしも深い浴槽を選ぶ
必要はありません。
比較的浅めのものでも傾斜を
利用したものや、また浴槽内に
段差がついていて椅子のように楽に
座れるもの、また、浴槽のふちが
広く腰かけて移動できる浴槽もあります。
浴室や脱衣所に暖房機を設置する
のはヒートショックを防ぐための対策
になりますが、抜本的な対策には
なりません。
例えば、床材を冷たいタイルではなく
断熱性の優れたものにする、または
窓から冷気が入らないように複数窓に
変えるなどの断熱性の改善によって
ヒートショックを防ぐ事ができ、快適に
入浴できるでしょう。
万が一の事故の為に助けを呼べる
ブザーなど、呼び出し装置を浴室内に
つけておくとさらに安心です。
いろいろな機種があるので
使いやすそうなものをみつけましょう。
高齢者の方が自立した生活を
いつまでも元気に続けていくために、
どうしても避けたい怪我。
水気によって滑ったり転倒、または
温度差によってヒートショックを
引き起こす危険があるバスルームは、
高齢者にとって命の脅威となり得ます。
心配な転倒事故を防ぎ、高齢者が
安心して生活できるように、
バリアフリーの浴室へのリフォームの
早めの対応をおすすめします。
バスルームのバリアフリー化を検討
しましょう。