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目次
地下から水を汲み上げられる住宅
設備のひとつである井戸。
昔は多くの住宅に設置されていた井戸ですが、
水道水を使用する家庭が多い現在では
井戸の数も少なくなっています。
しかし、昔ながらの井戸に憧れて
井戸付きの古民家を購入する方や新しく
井戸を設えるという家庭もあるでしょう。
ここでは井戸から汲み上げられる井戸水を
家庭に使う際のメリットやデメリット、
注意点をご紹介します。
まずは井戸水を汲み上げるのに必要な
井戸の種類と特徴を見ていきましょう。
浅井戸とは昔からよく使われている浅井戸で
深さ8メートル程度までの浅い場所の
水を汲み上げる井戸を指します。
硬い岩盤の上の不圧地下水と呼ばれる水を
汲み上げることができますが、
この水は周囲の環境に影響されやすいのが
デメリットです。
しかし、岩盤を削る手間がないため
工事費用を安く抑えられるのが
メリットとなっています。
深井戸は浅井戸よりも深い場所の
水を汲み上げることができる井戸です。
岩盤の下にある被圧地下水と呼ばれる
水質に優れた水を使用することが可能で
銭湯や商業施設などにも利用されています。
ただ、硬い岩盤を削らなければならないため
工事費用が高額になってしまう場合も
少なくありません。
では、井戸水を家庭で使用する際の
メリットをチェックしていきましょう。
井戸水の最大のメリットといえば
水道料金がかからない点でしょう。
通常、水道を使用する場合は
水道を使用するためにかかる基本料金と
使用水量で変動する使用料が必要となります。
しかし、井戸水を生活に取り入れれば
水自体にお金はかかりません。
水道の基本料金が高額な地域であれば
大幅に水道代を節約できるでしょう。
皆さんは真夏に顔を洗おうとして
蛇口をひねるとお湯のような水が出てきた
という経験はありませんか?
地表付近を通る水道水は
外気温の影響を受けやすいため
夏は熱く冬は冷たくなってしまいます。
しかし、地下にある井戸水は水温が
一定で夏はひんやりと冷たく、
冬は温かく感じることができます。
水道水に塩素が含まれているという話は
聞いたことがある方も多いでしょう。
水道水は塩素で消毒を行うため
カルキ臭と呼ばれる独特の臭いがあり、
健康的な被害はないとされているものの
味わいや髪、肌には多少の影響を及ぼします。
井戸水は塩素消毒を行っていないため
塩素による臭いや影響を受けることがありません。
地震が多く発生する日本では
断水になることも稀ではありません。
災害により水道水が使えなくなっても
井戸があれば井戸水は使うことができます。
備蓄している飲料水を生活用水として
使用するわけにはいかないという場合でも
井戸水があれば生活用水として
役立てることが可能です。
一方で井戸水にはデメリットもあります。
どのようなデメリットがあるのか
チェックしていきましょう。
井戸水を使用するためには井戸が
必要不可欠です。
井戸を設置するには設置場所と
設置するための費用が必要となります。
費用も井戸を掘ったら終わりではなく、
ポンプなどの設置費用や水質点検費用、
維持費などもかかるため
決して安いとは言えないでしょう。
井戸水を飲料水として使用するためには
水質検査に合格する必要があります。
飲料水として使用するために井戸を設けても
基準値以上の細菌や有害物質が
含まれていると飲料水として使用できません。
場合によっては下水が混入していたり、
汚染物質が混入していることから
別に浄水器などが必要となることもあります。
井戸水を汲み上げるポンプは
電気を使用して自動で動くものを
設置する家庭が多くなっています。
しかしその場合、停電が発生すると
ポンプを使用できなくなり
井戸水を汲み上げられなくなってしまいます。
停電のことを考えて手動のものを取り付けるか
自家発電ができる太陽光パネルなどを
設置すると良いでしょう。
井戸水を使い続けるためには
定期的なメンテナンスが欠かせません。
メンテナンスを行わなければ、
水質が悪くなってしまったり
水が出ないなどのトラブルが発生する場合も
考えられるため定期的なメンテナンスは
欠かさず行いましょう。
井戸で汲み上げられる井戸水は
水道代がかからない上、
水道水と違って夏も冷たく
災害時にも役立つというメリットがあります。
しかし、メンテナンスを行わなければ
水質が悪化したり水が出なくなるなどの
不具合が発生する可能性も。
井戸を利用する際は、
定期的なメンテナンスを行なって、
綺麗な井戸水をいつでも快適に
使えるようにしましょう。