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目次
窓を取り付ける際、窓の性能について
考えたことはあるでしょうか。
窓は選ぶサッシやガラスによって
異なる特徴を持っています。
水廻りに合う窓を上手に選ぶには
その種類や特徴を知っておくことが重要です。
窓が持つ役割や種類など窓の性能
について解説します。
まずは窓の役割を
改めて確認していきましょう。
窓が持っている役割は大きく分けて2つ。
1つ目は換気の役割。
空気を入れ替えることで
水廻りの湿気やカビの対策に役立ちます。
2つ目は採光の役割。
光を取り入れ水廻りを明るく照らします。
光を体に浴びることは健康的にも良いとされ、
精神的にも前向きになる効果があります。
換気や採光の役割を持つ窓ですが
外気の影響を受けやすく、室内の
冷気や暖気が逃げてしまうのがデメリットです。
室温と外気温の程度によりますが、
夏は約70%の熱が窓から入り、
冬は約55%の暖気が窓に逃げている
というデータがあり、水廻りを快適な
温度に保つためには、窓の断熱性が
大切だということがわかります。
窓の断熱性を考えた時に
注目すべきなのは熱貫流率です。
熱貫流率とは室内の熱が外に
出てしまう際の速さを表す言葉で、
U値とも呼ばれています。
単位は「W/㎡・K」で表され、
数値が小さいほど断熱性に優れています。
この熱貫流率は室内と室外で
温度差が1℃の場合、
1時間で面積が1㎡の部材から
出て行く熱量を表した数値です。
では次に窓ガラスの種類と特徴、
そして熱貫流率を見ていきましょう。
フロートガラスとも呼ばれる単板ガラスは
1枚の透明なガラスです。
水槽やガラスの棚板にも使われており、
透視性や採光性に優れている一方で
外気の影響を受けやすく
結露が発生しやすいのが欠点。
窓ガラスとして良く使用されている
厚さ3mmの単板ガラスの場合、
熱貫流率は6.0(W・K/㎡)となっており、
最も熱を逃がす窓ガラスです。
合わせガラスはその名の通り、2枚のガラスを
貼り合わせて1つにしたガラスです。
単板ガラスと比較すると
防音性や防犯性に優れているのが特徴。
ガラスが割れてしまった際に
破片が落下したり飛散するのを防ぎます。
厚さ6mmのガラスを2枚合わせた場合、
その熱貫流率は5.5(W・K/㎡)と
なっています。
複層ガラスはペアガラスとも呼ばれ、
合わせガラスと同じく
2枚のガラスからなっています。
違いはガラスの間に空気層があること。
空気層を設けることで
防音性や断熱性をさらに高めています。
そんな複層ガラスの熱貫流率ですが、
厚さ3mmの単板ガラスの間に
6mmの空気層を設けた場合は
3.4(W・K/㎡)と小さい数値になっています。
Low-e複層ガラスは複層ガラスの一種で
特殊な金属コーティングを施したガラスです。
コーティングを室内側のガラスに施した
断熱タイプは夏の日差しの侵入を防ぎ、
室外側のガラスに施した遮熱タイプは
冬の暖房効率を上げる効果があります。
熱貫流率は2.5〜2.7(W・K/㎡)。
ガスが注入されている場合は
2.1〜2.3(W・K/㎡)とさらに小さくなり、
単板ガラスと比較するとかなり
断熱性が高いことが伺えます。
次にサッシの種類を見ていきましょう。
家庭で多く普及しているアルミサッシは
加工のしやすさや価格の安さが特徴です。
アルマイト処理と呼ばれる加工を施すことで
耐久性も向上しています。
しかし、熱伝導のかなり高いアルミサッシは
結露が発生しやすいのがデメリットです。
一般的な単板ガラスのアルミサッシ
の場合、熱貫流率は約6.51(W・K/㎡)。
熱を逃しやすい窓と言えます。
アルミと樹脂や木材などの素材を
組み合わせたサッシです。
室内側と室外側の素材を変えることで
アルミの耐久性と樹脂や木材の断熱性という
両方の利点を活かせるのが特徴。
熱貫流率は11mm以上のガラスで
約3.49(W・K/㎡)です。
省エネ住宅で使われることの多い樹脂サッシは
熱伝導も低く加工もしやすい一方で
耐久性に劣るため厚みのある作りとなっています。
10mm以上の複層ガラスと組み合わせると
その熱貫流率は約2.91(W・K/㎡)と小さく、
ガスを封入した10mm程度のLow-eガラス
との組み合わせで約2.15(W・K/㎡)
まで断熱性が向上します。
北海道では約90%の住宅で
採用されているとも言われています。
温かみのある木製サッシは高い断熱性と
調湿機能が特徴となっています。
見た目もおしゃれですが、高額で
なおかつこまめなメンテナンスが
必要となるデリケートなサッシです。
熱貫流率は10mm以上の複層ガラスと
合わせると樹脂サッシと同程度に
なります。
(出典)断熱建材協議会
「建具とガラスの組み合わせによる開口部の熱貫流率」
換気や採光といった役割を持つ窓は
サッシの種類やガラスの種類によって
特徴や熱貫流率が異なります。
水廻りを快適な空間にするためにも
窓の種類や特徴を知っておきましょう。