キッチンリフォーム
目次
人類が火を使って調理することを知ってから
数十万年の月日が流れているようです。
世界には火を通すことで
初めて食用になるものもあります。
火による調理は
人類のカロリー摂取量を高め、
その後の進化に貢献したとの説もあります。
ところが、そんな火による調理の歴史が
今、大きく揺らごうとしています。
2004年にキッチンの三種の神器といわれた
家電製品“IHクッキングヒーター”の
能力向上のせいです。
また、エネルギー源を電気中心に考える
電化の波にも押され
オール電化の住宅では
キッチンを含め家の中で
火を必要とする場所がありません。
電力以外のエネルギーを使う場合、
火を使う可能性が出てくるのは
ガス給湯器、灯油給湯器、
そしてガスコンロになってくると思います。
では、そんな電化の波の中で
火による調理は
時代遅れのものになりつつあるのでしょうか。
ここではガスコンロのメリットデメリットを
見ていきたいと思います。
まず、ガスコンロは
ガスの種類によって選ばなければなりません。
ガスには12A、13Aと呼ばれる都市ガスと
プロパンガスがあります。
ガスの種類が変わると
それまでのガスコンロも使えなくなります。
また、集合住宅だからといって
都市ガスとは限りません。
どこかにまとめて
ガスボンベが置かれている可能性もあります。
コンロにはビルトイン型と
テーブルコンロと呼ばれる
据え置き型があります。
システムキッチンのビルトインコンロは
キッチンメーカーの製品ではなく
コンロメーカーの製品を埋め込んで使っています。
そのせいか、天板の幅も60センチや75センチなどに
統一されています。
従って、ビルトインであっても交換可能です。
天板の種類には“ガラストップ”“ホーロー”
“ホーローにコーティング”“ステンレス”“アルミ”
などがあります。
ガラストップは強化ガラスでできていて
見た目の美しさと
掃除のしやすさから一番人気です。
少々のことでは割れませんが、
天板の上に上がって作業していたところ
割れてしまったという事例はあります。
ホーローは鍋に使用されているのでもわかるとおり
熱に強く耐久性があるため
昔から天板に使われている素材です。
ただ、表面のコーティングがはがれると
そこから錆びる可能性があります。
経済的な価格帯のものが多く
リーズナブルです。
ホーローにコーティングしたものは
ホーローより色鮮やかで、
汚れも落ちやすくなっています。
しかもガラストップよりも
リーズナブルな価格のものが
多いようです。
ステンレスやアルミは製品自体が少なく
その独特の質感を好む方向けです。
五徳(ごとく)とは炎のなかで
鍋を支える脚のことです。
五徳にはステンレスとホーローがあり
ステンレスはおしゃれな感じですが、
炎に焼けるため、手入れが大変です。
ほとんどの五徳はホーロー製で、
黒い色のものが多いようです。
ホーロー製は手入れは簡単ですが、
表面がはがれると錆びたりします。
テーブルコンロは2口です。
ビルトインは2口または3口があります。
コンロによってはそれぞれの火力が
違う場合があり、
設置場所によっては
高火力のものを壁から離すのが
良さそうです。
グリルにも種類があり
受け皿に水を張るかどうかで
水あり片面焼き、水なし片面焼き、
水なし両面焼きなどがあります。
現在のコンロはこのグリルの進化が著しく
魚の焼き加減が設定できたり
ワイドになって一度に多く焼けたり、
専用のダッチオーブンが使えたりします。
一番のメリットは火を使うことです。
火加減という言葉があるように
火を扱うことは調理の基本です。
一番のデメリットも火を使うことです。
何かに燃え移ったりしたら、
財産を灰にしたり、最悪の場合
命に関わります。
また、夏は炎の熱で
暑さが増すこともあります。
ただ、安全に関しては様々な対策が
施されています。
・鍋を持ち上げると
炎が小さくなる機能があります。
・天ぷらを揚げるときの
加熱防止機能があります。
・火が消えるとガスが止まります。
・消し忘れの時、
一定時間経過後に自動で消えます。
・鍋の温度が消火基準に達しても
自動で火力を調節し
調理を続けることができます。
・地震を感じるとガスが遮断されます。
・子どものいたづら防止の
点火ロックができます。
・グリルから出る炎を押さえます。
・鍋の焦げ付きを感知して
消火する機能があります。
ガスコンロの設置には
消防法や建築基準法など
様々な法令が関与し
安全性を高めようとしています。
工事の中にはガス管の接続のように
免許所持者しかできないものもあるので
注意が必要です。
IHクッキングヒーターの流行はありますが、
数十万年にわたって火を使ってきた人類には
炎に対するあこがれもあるようで、
薪ストーブに癒されたり、
炭火のバーベキューで楽しんだりします。
普段IHを使っている方でも
ガスコンロに触れて
意外に良かったなんて感想を
持つことがあるかも知れません。
ガスコンロはこれからも進化を続けそうであり
どんな新機能が飛び出すが
楽しみでもあります。