キッチンリフォーム
目次
キッチン周りの収納は
いくらあっても足りないものです。
少しでも収納スペースを増やすために
壁づけキッチンであれば
その上にやサイドに
対面キッチンであれば
背後の壁に吊り戸棚を設けることを
考えます。
最近は開放感重視の方が増えたため
減少傾向ではありますが
対面型のキッチンの上に、
吊り戸棚の設置を検討している方も
いらっしゃるかと思います。
でもその吊り戸棚、
最大限に活用できるものでしょうか。
案外、単なる物置になってしまって
吊り戸棚でなくてもよいのでは、
といった事例も多いものです。
吊り戸棚のメリット、デメリット、
あるいはどんな棚なら
より活用できるようになるのか、
そのあたりを見ていきたいと思います。
「吊り戸棚のメリット」
・収納場所が増える
収納場所を増やすためにつけるモノですから
当然のことです。
収納場所が増えることで
置き場に困っていたモノも
片づけることができます。
また、吊り戸棚の下に
ワイングラスラックを付けることもできます。
ワイングラスラックとは
グラスの脚を掛けて
逆さまに吊しているラックです。
壁つけキッチンの場合、
キッチン下の収納と
吊り戸棚のデザインを統一させたり
補完させたりすることで
全体の美しい雰囲気を演出します。
上の方になると
脚立や踏み台が必要になり、
多少の危険が生じる可能性はあります。
また、それらの足場の置き場所も必要になります。
天井からの光をさえぎることがあり
手元が暗くなることもあります。
その場合、吊り戸棚の下に
明かりが必要となります。
吊り戸棚の場所によっては
開放感がなくなることがあります。
対面式キッチンの上に設置する時は
空間が区切られて、
ひとつのダイニングキッチンが
ダイニングとキッチンに分かれてしまいます。
吊り戸棚は、通常、頭より高い位置にあります。
したがって重量物は出し入れに危険を伴います。
また、戸棚自体の耐荷重もあり
考慮が必要です。
実際に入れることが想定されるものとして
・普段使わない鍋、土鍋
・普段使わない食器
・普段使わない容器
・普段使わない調理器
・キッチンペーパーやラップなど
考えてみると
「普段使わない」モノを
入れておく場所になってしまいがちです。
これは結局、出し入れの不便さに
由来するのではないでしょうか。
吊り戸棚の最上部は
必ず踏み台が必要な場所でもあります。
けれど、せっかくのキッチン周りに
使わないものばかり置くのは
果たして効率的なことなのでしょうか。
吊り戸棚は
なにも天井高一杯に
取り付けなければならない
というものでもありません。
天井から少し下げて付ければ、
いくぶんなりとも、
最上部に手が届きやすくなります。
天井と吊り戸棚のスキマには
照明を入れて、
間接照明にするのも
おもしろいかも知れませ。
それから、少なくとも一番下の段には
手が届く方が良いでしょう。
かといって低すぎても
頭を打ったり
じゃまだったりします。
また、開き戸の場合、
開くときにうまくよけないと
あたってしまいます。
扉が跳ね上げ式になったものもありますので
検討の余地があるかも知れません。
吊り戸棚の下が家電置き場の場合も
注意が必要です。
たとえば電子レンジのように
大型化してきているものは
入らない可能性があります。
高さがある製品もあるので
ゆとりを持っておくことも大切です。
昇降式の吊り戸棚には
電動も手動もありますが
どちらもおススメです。
なぜならば
踏み台などに乗らなくても
最上部に手が届くからです。
これは、将来、
自分が高齢者になったとしても
バランスを崩して踏み台から
落ちるというリスクがなくなります。
高齢者は少しの骨折でも
そのまま歩けなくなってしまう
可能性もあります。
考え方によっては
命に関わる転倒事故が
なくなるということになります。
電動にせよ、手動にせよ
棚が目の前まで降りてきてくれれば
普段使いもモノを
収納することができるようになるため
とても使い勝手の良いものになります。
問題は普通の吊り戸棚より
値段が高いということでしょうか。
吊り戸棚は
キッチンの身近にある収納ですが
出し入れの不便さから
単なる収納庫に陥ってしまいがちです。
もし、予算にゆとりがあるのでしたら
ぜひ昇降式を設置することを
おススメします。
超高齢化社会の日本では
吊り戸棚の上の棚は
年々手が届かない場所になるはずです。
すぐそばにあるのに
手が届かないという事態を
迎えないためにも
昇降式がよさそうです。