お風呂リフォーム
目次
新築の家屋やマンションの浴室、
あるいはリフォームのお風呂、
その多くにユニットバスが使われています。
むしろユニットバス以外を目にすることの方が
むずかしいとさえ言えます。
おそらく、次の時代から現代のお風呂事情を考証したとき
今の日本はユニットバスの時代とされることでしょう。
では、なぜこんなに人気なのでしょうか。
メリット、デメリットを検証しつつ
ユニットバスの魅力にせまりたいと思います。
ユニットバスとは、
あらかじめ成形してある、
床、壁、天井、浴槽などのパーツを
組み上げて作るバスルームの総称です。
素材から作り上げる在来工法に対して
パーツを組み上げる工法になります。
おそらくバスタブなどの
大きなパーツがあるせいでしょうか
まだ骨組みだけの新築現場で、
一番にユニットバスが組み上がっている
状況を目にすることがあります。
日本で使われ始めたのは
前回の東京オリンピック頃と言われています。
サイズは10センチ単位で作られていて
床の面積の奥行きと幅で表されます。
たとえば内寸が120センチ×160センチであれば
1216と表されます。
あくまでも内寸なので
一坪(182センチ×182センチ)に入るユニットバスは
1717になります。
内寸規格は統一されていますが、
外寸はメーカーごとに違いがあり、
場所によっては同じ場所でありながら
サイズ違いでも納まることがあります。
浴室にバスタブのみがあるタイプ。
浴室にバスタブと洗面台があるタイプ。
浴室にバスタブと洗面とトイレがあるタイプ。
よくビジネスホテルや、
賃貸アパートなどで見かけます。
バスルームの床、浴槽と壁の下半分がユニットで
壁の上部から天井までを在来工法で行うタイプ。
天井高が取れない場合や、
上部のデザイン、照明にこだわりたいときに用います。
元々、ユニットバスは
工期短縮のために考案されたいきさつもあり
これは第一の利点になります。
特にリフォームの場合には
家庭のお風呂が使えない期間が短縮されるため
かなりのメリットになります。
工期の短縮は工賃の節約にもつながり
経済的な効果もあります。
実は施工する側にも
工期が短くなれば
その分次の工事にかかれるというメリットがあり
施主と施工者の利害の一致も
ユニットバス普及の一因になります。
最初から浴室用に開発されているシステムのため
水盛れはしにくくなっています。
ホテルや集合住宅など
水漏れで階下を汚してしまうリスクがある場所には
適したシステムだといえます。
ホテルのように
人をもてなす場所にも使われていることから
「人に見られても恥ずかしくない風呂」
という意識を一般の方々が持つようになり、
それも普及の一因になっているように思われます。
浴室はたいてい
日の当たらない北側に作られ
家の中でもっとも寒い場所になっていました。
特に、かつての在来工法では
モルタル、タイル張りの
素肌に冷たい風呂が多かったようです。
もちろん現在ではそれぞれの素材も改良され
今も浴室の素材として使われています。
ただ、ユニットバスも進化を続け、
バスルーム本体の断熱性も
更に向上しています。
普及段階において
ひんやりしたお風呂より
冷たくないバスルームの方が選ばれたのも
人々に受け入れられた一因です。
それまでの在来工法では
たとえばカビ対策なども
個別に対応しなければなりまでんでした。
もちろんそれで成果を上げていることもありますが
中には十分対応できない場合もありました。
一方、ユニットバスは工場で成形されるため
最初からカビの生えにくい素材を使うことも可能です。
もちろん、浴室は規格品でも
設置場所は千差万別ですから、
すべてがうまく行くわけではありません。
けれども最低限の基準ラインはアップしていると思います。
汚れにくいといわれれば、やはりそちらに目が向きます。
たとえばスーパー銭湯のように
毎日、お風呂を磨いてくれる人がいるのなら
別にこだわらなくても良いのかも知れません。
けれど共働きが増えた一般家庭では
掃除の手間をなるべく掛けたくないのが
当然のことです。
ユニットバスはその点でも
進化を続けていて、
今では自動洗浄のシステムが装備された
お風呂もあります。
けれど、毎日高温多湿の過酷な環境で
使用されるものですから
昔よりラクになったとはいえ
まだまだ、カビ、黒ずみなどを
掃除しなければなりません。
もし、メンテナンスフリーの浴室が誕生するとしたら
それはやはりユニットバスからだと思います。
もともと掃除しやすいシステムなのに加えて、
普及率が高いおかげで、
メーカーも研究開発費を投入しやすいからです。
ユニットバスは工場で成形されるため
規格外を作ろうとすれば
工場自体から変えなければならないし、
ひとつの規格外のために
それをするのは現実的ではありません。
ユニットバスが収まらない広さ、
形に対応するとすれば
在来工法になってきます。
ユニットバスには豊富なデザインがあります。
けれど、やはり工業製品のため
現在ある製品からのチョイスになります。
選択肢にないデザインは選ぶことができません。
特に売れ筋の商品で選択した場合、
もしかしたら、
友人宅のバスルームの雰囲気が似ていた
ということが起こるかも知れません。
ユニットバスは最初から完成した形です。
後から設備などを取り付けようと考えたときに
実現できないことがあります。
ユニットバスは使う側、作る側、施工する側の、
それぞれの思惑が一致して、今の形、今の普及があります。
それは今の日本の入浴文化の主流になっています。
「寄らば大樹の陰」というたとえがあるように
文化・経済の流れのメリットを最大限に受けたいのならば
おススメのバスルームです。