必需品？ぜいたく品？脱衣所暖房乾燥機

必需品？ぜいたく品？脱衣所暖房乾燥機

寒い脱衣所で服を脱ぐのって
イヤですよね。

浴室に入って掛け湯をするまで
生きた心地がしません。

そんなときに限って
肌着がうまく脱げなかったり
洗濯機に向かって投げた靴下が
入らなかったりします。

それどころか、
この寒さの中での血圧の乱高下が
人の命に関わることもあります。

では、この服を脱いで風呂に入るまでの
わずかの時間のために
脱衣場を暖めるべきなのでしょうか。

もし、暖めるとしたら、
効率の良い方法があるのでしょうか。

「ヒートショックの恐ろしさ」

ヒートショックは、屋内の温度差によって起こります。
暖かいリビングから
寒い脱衣所に移動したとき、
血管を細くして血流を減らし
熱を外へ逃さないような
生理現象が起こります。
細い血管へ心臓からの血液が
押し出されるのため
血圧は急上昇します。

その後、暖かい湯に浸かれば
血管は拡張し、
血圧が急下降します。

冷たい場所と
暖かい場所を行き来することで
血圧の急変化が繰り返され、
血圧が上がったときには
心筋梗塞や脳梗塞、
血圧が下がったときには
めまいやふらつきによる
転倒事故が発生しやすくなります。

これがヒートショックと呼ばれる症状です。

家の中では
バス、トイレ、脱衣所などが
起こりやすい場所とされています。

ヒートショックでなくなる方は
交通事故でなくなる方より
多いといわれています。

「脱衣所に適した暖房」

脱衣所の暖房選びに必要なことは
なにを、どれだけ、どのように暖めるのか
ということです。

たとえば
部屋全体を、リビングと同じぐらい
セラミックヒーターで暖めるのは
時間も電気代もかかり
とても非効率的です。

けれど
人を、そのときだけ、
カーボンヒーターで暖めるという考えは
とても現実的です。

実際の状況を考えてみれば
入浴の20分前から点けなければならない場合
家族が時間を開けて入るようなお宅であれば
結局面倒になって
少し寒いのをガマンすれば済むのだからと
使わなくなってしまうことも十分に考えられます。

それでは、相変わらずヒートショックの危険が
高いままです。

「暖房機の置き場所」

もっとも簡単な方法は
電気を使って暖める
暖房器具を買ってきて
床に置くことでしょうか。

けれど
床に熱源を置けば
やけどの危険性まで考慮したとき
思った以上に場所をとることがわかります。

また、タオルなど燃えやすいものが
上にかぶさることも考えられます。

脱衣所が狭い場合は
転びやすい子どもや高齢者にとって
危険でもあります。
この年代層は
およそ考えられない状況で
ふらついたり、
転倒する可能性があるのです。

正しく使えば問題はありませんし、
移動させやすいという利点もあります。
しかし、万が一のことを考えるのなら
多少の工事は必要になりますが
壁づけの方が使いやすいと思います。

「大切なこと」

脱衣所暖房でもっとも大切なことは
消えることです。
言い換えるなら
消し忘れに対応している機器
ということになります。

たとえばヤカンや鍋などを
火にかけっぱなしにしてしまうことは
意外に多いようです。
ましてや、
早く浴室に入りたいという意識で
いっぱいになってしまう脱衣所では
消し忘れる可能性がさらに高まります。

消し忘れは火事などの
重大な事故につながります。

人がいなくなると消える人感センサーや
数分で切れるタイマーなどが装備されたものが
おススメです。

「早く暖まる器具」

部屋全体を暖めるのが理想だとは思いますが
一坪程度の脱衣所でも
暖めるのに10分ぐらいは必要になります。

この場合セラミックファンヒーターがおススメです。
中にはドライヤー機能や
夏の涼風機能を備えたものもあります。

石油ファンヒーターは換気が必要になるので
おススメできません。

当然のことながら
部屋全体を暖めるのは
効率が悪いと思うかも知れません。

また余熱の時間をうまく作れないという方も
いらっしゃるかと思います。

そんなときは
遠赤外線で暖める方法をおススメします。

遠赤外線は空気を暖めることなく
人を直接暖めることになります。

したがって、照射範囲から一歩外れると
寒い空間になってしまうことが難点です。

けれど、点けてすぐ暖をとることができて、
またすぐ消えるという使い方が可能になります。

これまでは電気のものばかりでしたが
ガスによる暖房もあります。

もしすでに給湯暖房機が設置されていれば
脱衣所の暖房は増設でできます。
ない場合は熱源としての
給湯暖房機などが必要となります。

「まとめ」

脱衣所の暖房は
あるべきものだと思います。
ただ、無駄なく効率的に
暖めるのはとても難しく
使う方にも
工夫が要求されるのではないかと思います。

たとえば、部屋全体を暖めるのなら
湯を張りながら暖房を始めます。
暖まったところで、
家族が続けて入浴すれば
部屋を暖め続ける時間が
短くて済みます。

もちろん、多少の無駄は
無駄と思わず
健康コストだととらえることも
必要なのかも知れません。