キッチンリフォーム
家やマンションに長く住み続けるために
リフォームは避けて通れないものがあります。
キッチンをリフォームするとき
あなたは何を第一に考えますか。
家を建てたりマンションを購入した年齢、
家族構成にもよりますが、
高齢者向けにシフトしなければならない時が
きっとやって来るのではないかと思われます。
今回は高齢者(シニア)向けキッチンへの
リフォームについて考察します。
高齢者の場合、
まず負担の軽減が大切になります。
若いママには想像もつかないでしょうが、
イスに座って調理をする方、
したいと思う方が多くなります。
それを考慮して
シンクやキッチントップの下が
ちょうど机のように
足が入る空間になっていて
イスに座っての調理や洗い物がしやすい
形状になっているものがあります。
足の入る高さはイスの種類によって違ってきます。
キャスター付きのイスを使うのであれば
キャスターの分だけ高くしなければならず、
また、キャスター付きは安定性が悪いので
普通のイスにしたい方なら
それに合わせた高さにします。
このイスに座っての作業が
キッチン構成の基本になります。
イスに座って調理するとき、
前方に腕を伸ばして届く範囲が短くなります。
立った姿勢だと上体を前方に傾けることで
手が遠くまで届きますが、座った姿勢では
そうもいきません。
必然的にワークトップの奥行きが短い方が
手が届きやすくなります。
そこで壁付けの背面キッチンが
クローズアップされます。
奥行きがなくても物が
向こう側に落ちることがありませんし
また、前面の壁をうまく活用して
調味料や道具を並べれば
動くことなく作業ができます。
壁付けだと頭上に棚をつけても
開放感が損なわれるということはなく
その棚もスイッチひとつで
目の前まで降りてくるものもあり
普段使いの収納が増えるようになります。
ただ、高い位置のままの戸棚なら
却って使い勝手が悪くなるだけでなく
バランスを崩して転倒ということになりかねないので
やめておいた方が無難です。
要所には手すりも必要です。
ただ、場所によっては作業時に
邪魔になることもあるので
検討が必要となります。
壁付けキッチンの場合
ダイニングテーブルとの間に
カウンターがないので
移動距離を短くすることができます。
水栓も取っ手が奥にあると
使いづらいため、
吐出口近くにスイッチや
センサーがついているタイプや
足で操作できるものにすると良いでしょう。
ところで、鍋を火にかけたまま
忘れてしまうことは
若い人でも時折あるようで、
ヒヤッとしたなどという話も聞きます。
ただ、高齢者では
忘れる回数が多くなったり、
ハッと思い出すのが遅くなったりする
傾向にあるようです。
そこでコンロは安全装置の付いたものを選びます。
最近のコンロは揚げ物油の過熱時の消火、
吹きこぼれで火が消えた時にガスを止める機能、
消し忘れ消火機能など安全性がかなり向上しています。
やはり加熱には火を使いたいと思う方には
安心装置ともいえます。
それでも炎を使うのが危険だと思うのであれば
IHクッキングヒーターにします。
もちろんIHだから安全というわけではなく、
安全装置は必要です。
コンロからIHに変える場合は
使えない鍋なども出てくるので
注意しなければなりません。
その他、高齢者に優しいキッチンにするためには
床暖房にすると良いでしょう。
多くの人は年齢を重ねることで血行が悪くなり
手足が冷えてしまいます。
冬は靴下を重ねばきして対処する
方もいらっしゃるほどなので、
床自体が暖まれは
確実に過ごしやすい場所になるだろうと
思われます。
高齢者向けキッチンに、適した床材は
滑りにくく柔らかめのもので、
耐水性が高く、掃除がしやすいものがおススメです。
例えばクッションフロアやコルク材が候補になるでしょうか。
床暖房を入れる場合は、床暖房対応のものになります。
高齢者にとって
快適に使えるキッチンがあれば
作る意欲、食べる意欲につながり
生活のハリも出でくるのではないでしょうか。
それは健康年齢の伸長にもつながります。
人生100年時代の今、
リフォームをしてからでも
10年や20年は確実に使う可能性があると
考えて良いでしょう。
高齢者が長く使うことを想定して
より快適なキッチンにするための
リフォーム計画を立てませんか。