キッチンリフォーム
目次
製品を正しく使っていたとしても
経年劣化により
不具合が起こることがあります。
場合によっては重大事故に至る可能性もあり
これを受けて経済産業省では
平成21年(2009年)に
長期使用製品安全点検制度を創設しました。
この制度は特に購買者による保守が難しく
長期使用による受大事故の可能性が高まる
「特定保守製品」9品目を、
・製造、輸入事業者
・販売者
・購入者
などが
それぞれの役割を果たし
経年劣化による事故を防止する制度です。
・ビルトイン式電気食洗機(電気)
・浴室用電気乾燥機(電気)
・屋内式ガスふろがま 都市ガス用(ガス)
・屋内式ガスふろがま プロパンガス用(ガス)
・屋内式ガス瞬間湯沸器 都市ガス用(ガス)
・屋内式ガス瞬間湯沸器 プロパンガス用(ガス)
・石油給湯器(石油)
・石油ふろがま(石油)
・FF式石油温風暖房機(石油)
になります。
特定保守製品の中には
最近の家屋やマンションでは
あまり使われなくなったものもありますが
ビルトイン式電気食洗機、
浴室用電気乾燥機、
石油給湯器などは
実際に使用されている方も多いかと思います。
製造者・輸入業者には「製品への表示義務」と
「点検通知義務および点検実施義務」があります。
製品にはシールなどで
・特定製造事業者名
製造者・輸入業社名、所在地
・製造年月日
・製造番号
・設計標準使用期間
・点検期間
・問合せ連絡先
が書かれています。
特定製造事業者名とは
製造者・輸入業者のことになります。
設計標準使用期間とは
標準的な使用条件を定めて
(1日8時間毎日使う想定など)
この条件で何年使う製品であるかを
表示するものです。
この設計上の標準使用期間を超えて使用した場合、
故障・事故のおそれがあるという表示でもあります。
製造者・輸入業者は
所有者からの登録情報にもとづき、
点検の通知と点検を行う義務があります。
ただし、点検は有料です。
所有者とは消費者や
アパートなどの
家主さんのことです。
もし事故が起きた時には
まわりの人々にも危害を及ぼすおそれがあるので
メンテナンスなどを行う必要があります。
特に大家さんなどは
借りている人の安全に配慮しなければならないため
保守を行うことになります。
所有者は製造者や輸入事業者に対して
所有者情報を登録しなくてはなりません。
中古品の購入で所有者が変わった場合や
引越しした場合にも
変更の登録が必要です。
登録は製品に同梱されているハガキや
インターネット、電話などで行います。
宛先は製造者や輸入業者になります。
製造・輸入事業者からの
「点検通知」は
この登録をもとに行われるため
これをしなければ点検通知も
こないことになります。
点検は製品に表示されている
点検期間中に受ける必要があります(有料)。
点検後、点検結果の通知が届きます。
不具合があった場合、修理をするかどうかは
所有者の判断となります。
もし、不具合がなくても
使用を続ける場合は
こまめな点検をしたほうが良いでしょう。
この制度において
直接私たちに触れる部分を先に書きましたが
実際には流通過程の中で
かかわる機関ごとに
それぞれの役割があり
以下に流れを書いてみます。
・製品に設計標準使用期間、
点検期間、問い合わせ先を表示
(違反罰則あり)
・所有者票の添付
(違反罰則あり)
・引渡し時の説明義務
(違反罰則なし、勧告・公表)
・所有者情報の登録の責務
(違反処分なし)
・所有者情報の管理義務
(違反罰則あり)
・所有者に対して
登録者情報の登録・変更の
必要性を伝える責務
(違反処分なし)
・点検通知、点検実施義務
(違反罰則あり)
・点検、保守の責務
(違反処分なし)
それぞれに義務や責務があり
義務には罰則を伴うものもありますが
責務は罰則を伴いません。
とはいうものの
特定保守製品は
発火や中毒など
故障が重大な事故を
引き起こす可能性があります。
罰則がないからといって
安易に考えないほうが良いかも知れません。
国がこういった制度を作った背景には
重大な事故の積み重ねがあったことを
忘れてはならない気がします。