キッチンリフォーム
目次
キッチンを新設、またはリフォームする時、
いくつも選ばなければならないものがあります。
ガスコンロにするか、
IHクッキングヒーターにするのかも
そのひとつです。
かつてはガスコンロが主流で、
ごくまれに電熱線などの
ヒーターによる調理器をみる程度でした。
IHクッキングヒーターは
1990年代にビルトインタイプが発売されてから
徐々に普及が始まりました。
家電メーカーが主流のIHは宣伝上手の面があり、
また、光熱費を抑えるために
オール電化を選択した時には
必然的にIHになることもあって
今ではガスコンロを上回っている
状況だと思われます。
実際のところ
IHクッキングヒーターも
ガスコンロも
それぞれにメリット、デメリットがあり
一概にどちらがいいとは言えない状況です。
今回は改めて
ガスコンロとIHクッキングヒーターを
見ていきたいと思います。
“火加減”という言葉があるように
人類は長年にわたって
火を使って調理してきました。
また、バーベキューをするときに
発電器やコンセントを使って
電気の調理器を使うよりも
炭火で焼いた方がおいしく感じられるという
火に対する信頼も
人々は心の中に持っています。
この“火”を使うところが
ガスコンロの最大のメリットです。
火は鍋の底だけでなく
側面も温めるため
炒め物などはおいしく仕上がると
いわれています。
火の大きさを見て、
火加減を調整する感覚を
身につけている方は
やはりガスコンロを選択するのではないでしょうか。
鍋やフライパンは
どの種類でも使うことができますが
最近はIH対応のものも多く
あまり大きなアドバンテージではありません。
ただ、中華鍋のような丸底のものは
ガスコンロでしか使えないでしょう。
IHクッキングヒーターのメリットは
火を使わないことです。
火はなんといっても
何かに燃え移ったりして
制御不能になってしまいます。
けれどIHクッキングヒーターは
火を使わないので
火事に対する安全性は高いです。
また、火を使わないため、
部屋の温度上昇が抑えられ
夏でもエアコンの温度を下げることなく
調理をすることができます。
IHクッキングヒーターは電気による制御のため、
熱の調整が細かくきっちりとできます。
経験と勘のガスコンロに比べて、
目盛りに合わせることで確実な調整ができます。
掃除のしやすさも
IHクッキングヒーターの特徴です。
平らな天板を拭くだけで
ほとんどの汚れは
取れることでしょう。
IHを選べばオール電化の割引も
適用可能です。
ガスコンロのデメリットも
やはり火を使うことです。
一時、衣服の袖に燃え移るということが
しきりに言われた時期がありました。
最近のガスコンロには安全装置がついているので
消し忘れによる火事は減ったと思いますが、
昔の器具を使っている方は注意しなくてはなりません。
また、火を使うため
夏は温度が上昇し
部屋がより暑くなってしまいます。
最近はガラストップのガスコンロが増え、
ガラス部分は拭くだけで
かなり汚れが落ちるようになりました。
それでもIHクッキングヒーターに比べて
まだ掃除がしにくいところがあります。
あと、オール電化の割引が適用されないのも
デメリットになります。
焼く調理方法ではないため
焼かなければならない調理には向いていません。
けれど、やり方によっては
焼いたものに近い状態までは
もってはいけるようです。
火を使わないため
大きな上昇気流がおきず
臭いや油が周囲に広がりやすくなります。
そのため、しっかりと吸い上げる
レンジフードの設置が要求されます。
また、調理直後は
天板に鍋からの熱が移っています。
熱いうちはランプなどで知らせてくれますが、
子どもやペットが触れて
大ヤケドする可能性はあります。
それと、電磁波による影響も心配なところです。
どの製品も基準値以内だとは思いますが
実際の影響は個人差があることを考えると
やはり心配になります。
電磁波をさえぎるエプロンなどもありますので
安心のためには対策を講じる必要があるかも知れません。
ガスコンロを選ぶ方は
積極的な理由として
火を使って調理がしたいという
気持ちが第一かと思います。
消極的な理由として
電磁波が心配というのもあるでしょうか。
IHクッキングヒーターを選ぶ
積極的な理由としては
火を使わない安全性が第一でしょうか。
キッチン周りの掃除のしやすさも
理由になることでしょう。
オール電化にして
光熱費を抑えたいというのも
あるかも知れません。
ただ、オール電化は
家庭のエネルギーを
すべて電力にゆだねることになり
電力会社の意向が
家計に大きな影響を及ぼします。
また、エコキュートのコストも
考慮する必要があり、
IHクッキングヒーターだけでなく
もっと大きな視野での検討が
必要となります。
結局のところ、
ガスコンロにするかしないかは
料理へのこだわり、
IHクッキングヒーターにするかしないかは
安全への配慮というところが
大きな要因になるのではないでしょうか。