キッチンリフォーム
目次
外が肌寒くなってくるころ
キッチンや洗面所では
お湯の温かさがありがたく思えてきます。
昔の人は水の冷たさに
どうやって耐えたのだろうか不思議になるほど
お湯なしの生活は考えられません。
もし、仮にお湯がいっさい使えないとしたら、
洗面や炊事だけでなく、
食洗機の能力やシャワーにも差し障りが出てきます。
すなわち今の住まいは、
給湯されることを前提に
作られているということになります。
エコキュートは電気を熱源とする給湯器です。
同じく電気を熱源とするものに
電気温水器がありますが、
電気温水器とエコキュートの違いは
電気温水器が電気のみでお湯を作るのに対し
エコキュートは“空気の熱”も使います。
空気の熱も加えることで、
より少ない電力でお湯をつくるため、
効率的だと言われています。
空気の熱はヒートポンプユニットによって
水に伝わります。
その仕組みは
1.空気を取り込み、空気熱交換器で
空気の熱を
冷媒(CO2、二酸化炭素など)に移します。
熱は高いところから低いところへ移るため
冷媒の温度は低くなっています。
2.熱を受け取った冷媒を圧縮します。
すると圧縮という運動エネルギーが
冷媒に伝わり温度が上がります。
3.温度が上がった冷媒を水熱交換器へ送ります。
ここで冷媒から水に熱を移します。
水がお湯になり、タンクへ送られます。
お湯と水は温度差が20度以上あると
混ざらない性質があり
できあがったお湯はタンクの上層へ送られ
下層の水が水熱交換器へ送られます。
4.熱を失った冷媒は膨張弁へ移動します。
冷媒を膨張させることで温度が下がります。
5.冷えた冷媒が再び空気交換器へ送られます。
6.これの繰り返しで水はお湯になって行きます。
以上を見る限り、元の空気の温度が高ければ
容易に水がお湯になるように考えられます。
事実、夏は冬よりも電気代が抑えられます。
また、水温も高いためなおさらです。
同時に冷媒の能力も優秀で
ー10度程度であれば、
問題なくお湯を作ることができます。
また、ー25度でもお湯が作れる
寒冷地仕様のエコキュートもあります。
エコキュートは電気代の安い
深夜電力を使ってお湯を沸かします。
当然トータルの電気代も安くなります。
深夜に沸かしたお湯を翌日使うので
冷めないか心配される向きもあるかも知れませんが
十分な熱さは保たれています。
ただし、深夜電力を使うためには
オール電化の契約が必要です。
エコキュートが空気の熱を使うことで
使用する電力は約3分の1になると言われています。
エコキュートは燃焼させるものがないので
CO2を排出しません。
また、冷媒は自然冷媒(CO2)で、
フロンを使っていないため
オゾン層も破壊しません。
タンクには大量の水が貯められているため
非常用水栓が装備されている機種では
災害などでライフラインが止まった時
タンクの水を生活用水に使うことができます。
HEMSとは家庭内のエネルギーを
管理するためのシステムです。
個々の家電の消費量を把握し
細かく電力を制御することで
電力の効率化をはかります。
メリットとまでは言えないかも知れませんが
初期費用の節約になります。
安価な深夜電力を使うためには
オール電化契約が必要となります。
エネルギーを一つに頼らず
ガスや灯油などに分散したい方には
不向きです。
深夜以外の時間でお湯が切れてしまった場合、
高い電力でお湯を沸かさなければならず、
非経済的になります。
湯切れしないように、計画的に使う必要があります。
他の給湯器と比べてかなり高価です。
初期費用が予算オーバーの場合、
リース制度の活用を
検討しても良いかも知れません。
水に熱が加わることでカルキが抜けて
水道水の安全基準から外れてしうことがあります。
また、タンクには汚れが溜まりやすく、
衛生的でなくなっていることもあります。
中には飲用不可とするエコキュートもあります。
年に2~3回、タンクの清掃が必要になります。
水を抜いて、底に溜まった汚れを
排出する必要があります。
タンクの中には手が入らないため
あまりにも汚れがひどい時は
業者に依頼しなければならないこともあります。
エコキュートは貯められたお湯を使うことから
風呂の追い炊きができないと思われていますが
中には追い炊き対応の機種もあります。
この機種はもう一度浴槽内の湯を
取り込んで暖めるため
管の中に成分を残さないという理由から
入浴剤の使用が限られます。
大量の湯を貯めるタンクの設置場所が必要となります。
タンクにもスリム型や薄型などがありますので
場所に合った形を選びましょう。
周りが静かになった深夜に稼働するため
音がうるさく感じられることもあります。
隣近所との距離にも注意した方が良いでしょう。
エコキュートを設置するかどうかは
オール電化にするかどうかの
悩みでもあります。
家のエネルギーを
一種類に統一することに抵抗がなければ
まとめてしまってもよいかもしれません。
また、節電になるといっても
それは給湯の部分だけで
使用電力は他にもあります。
耐用年数も
10年がめどと言われており、
そのあたりの経済性も考慮して
エコキュートにするかどうか
判断してはいかがでしょうか。