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目次
下水道が整備されていない地域では
法律で設置が定められている浄化槽。
その数は減少傾向にあるものの
古い住宅や自然の多い地域では
未だに使用している家庭も少なくありません。
そんな浄化槽は長く使い続けられますが
破損などのトラブルが発生した際には
交換が必要となるケースも。
浄化槽の交換が必要となった際に
知っておきたい交換費用や撤去の
方法などを解説します。
浄化槽とは下水道の代わりに
排水を浄化し、川に流すという
役割を持った装置です。
生活排水を川に直接垂れ流せば
臭いが発生するのはもちろん、
感染症の原因になる場合もあります。
それを防ぐために設けられたのが浄化槽です。
浄化槽は浄化槽法という法律で
管理が義務付けられており、
年に一度の定期検査や4ヶ月に一度以上の
保守点検などが定められています。
それではそんな大きな役割を持った浄化槽の
種類とサイズを見ていきましょう。
し尿処理を行うために昔は多くの家庭に
取り付けられていた浄化槽です。
今でも古い住宅では使われている
場合もありますが現在は生産
されていません。
し尿処理は行えるものの
生活排水の浄化は行えないことから
平成12年に新設禁止となっています。
現在の法律では”みなし浄化槽”とされており
正式な浄化槽とは考えられていません。
現在では浄化槽といえば
この合併処理浄化槽のことを指します。
単独処理浄化槽とは異なり、
し尿処理だけでなく生活排水の浄化も
行うことができる浄化槽です。
現在でも単独処理浄化槽を使用
している家庭は、早急な合併処理
浄化槽への切り替えが求められています。
浄化槽には5人槽・7人槽・10人槽の
3サイズがあり、どのサイズの浄化槽を
設置するのかは住宅の延べ面積に
よって決まります。
延べ面積130㎡(約40坪)以下の
住宅は5人槽、延べ面積130㎡(約40坪)
を超える住宅は7人槽、キッチンと浴室が
2ヶ所以上ある二世帯住宅は
10人槽が設置されるようになっています。
現在、設置から30年以上経過した浄化槽を
使い続けている家庭も少なくありませんが
浄化槽の耐用年数は
およそ20年〜30年と言われています。
30年以上経過していても
設置環境が安定していれば問題
ありませんが、地震などが発生すれば
破損などのトラブルが起こる可能性はあります。
また、浄化槽についているブロワーや
ポンプといった部品は本体より早く劣化
してしまうため、部品の交換、修理なども
必要となります。
浄化槽の交換時期を確認したところで
次はその費用と工期について
チェックしていきましょう。
まず浄化槽の交換費用の目安ですが、
これは浄化槽の大きさによって異なります。
一般的に使われている5人槽と7人槽では
5人槽の場合が80万円〜100万円
7人槽の場合が100万円〜140万円程度の
費用が必要となるでしょう。
自治体によっては補助金制度を設けて
いるところもあるため、交換の際には
自治体の補助金制度を確認する
ことをおすすめします。
次に工期ですが、交換には3日〜7日間の
期間が必要とされています。工事中には
水が使用できなくなる時間も発生するため、
事前に確認しておくことが大切です。
下水道が整備され浄化槽を撤去する場合、
気になるその方法と費用について
確認しておきましょう。
浄化槽を撤去する方法は
大きく3つに分けられます。
1つ目は全撤去です。
その名の通り、本体や部品、装置も全て
撤去してしまう方法です。
2つ目は埋め戻しです。部品や装置を
取り除き、本体の3分の1を地中に
埋める方法です。
3つ目は埋め殺しです。部品や装置を
取り除かずに本体を地中に埋める
方法です。
撤去にかかる費用の相場は5人槽
または7人槽の場合、3万円〜7万円
程度とされています。
しかし、浄化槽の最終洗浄が
完了していない場合は最終洗浄に
2万円〜4万円の費用が必要となります。
また、解体中に地中埋設物として
古い浄化槽が見つかった場合、
さらに追加費用が発生してしまうため
注意しましょう。
浄化槽は下水道が整備されて
いない地域の排水を行うのに
欠かせない設備です。
万が一、浄化槽が破損などの
トラブルを引き起こしてしまうと
正常な排水が行えなくなります。
浄化槽が設置されている住宅に
住んでいるような場合は、浄化槽の
種類や交換時期を確認し、
正しく適切な管理を行いましょう。